経営

FFS理論をもとに最適配置・チームづくりを推進 -人の活躍に向けた理論であることが導入の決め手

FFS理論をもとに最適配置・チームづくりを推進 -人の活躍に向けた理論であることが導入の決め手

お話を伺った方:堀口 宏吉 様(代表取締役社長)

会社名:株式会社全教研

業種:教育、研修サービス

従業員数:約240名

  • 導入範囲:全社導入
  • 導入対象人数:約240名
  • 導入時期:2023年~
導入前の課題
  • 人の活躍方法を考えている中で、FFS理論に出会う
  • 社員がやりがいをもって働けることを目指して導入
主な取り組み
  • 個性を生かした最適配置に活用
  • 事業ポートフォリオを転換していく中で、人が活きる組織づくりを推進
導入効果
  • ポジション変更でより活躍できる人が増加
  • 新サービス領域を担える人材の発掘・登用等が進む

―FFS理論を知ったきっかけを教えてください

堀口さん 当社に関わってくれているコンサルタントから聞いたと思います。当社の内情をよくわかっている人で、使うとよいのではないかと勧めてくれました。

―何か課題が表出してきていたのでしょうか

堀口さん 課題と言うより、人の活躍を後押しする手段を教えてくれたのだと思っています。当社は学習塾事業を行っていますが、この業界も変化のさなかにあります。DXによって他業種からの参入が増え、オンライン学習等の選択肢がどんどん増えています。その中で我々が生き残っていくすべは、やはり人です。やりがいをもって働く社員が我々の強みであり、そのために必要なことを考えている中でFFS理論に出会ったのです。

―特に響いた点は何でしたか

堀口さん そもそも、人の個性に注目して最大限のパフォーマンス発揮を目指すという発想そのものがなかったですからね。FFS理論では人の個性を深く理解し、個性を生かした活躍を考えると聞いて、目から鱗が落ちるようでした。従来はどうしても「仕事に人をつける」発想で考えていました。「こういう仕事に就いてほしいから」ということで人を教育してきたわけです。環境によってパフォーマンスが変わると、思ってもいませんでした

―お考えの方向性とFFS理論が合致したということですね

堀口さん 話を聞いて自社に取り入れようと、即座に思いました。これにかけるしかないとも思いましたよ。社員の多くは塾講師をしていますが、本人が生き生きしているかどうかは、子どもに伝わります。子どもを教育する前に、先生の働きがいを伸ばさないといけない。それにぴったりの手段だと思いました。

【活用の方法】新しい組織づくりや人材登用に活用

―具体的にはどういう使い方をしているのでしょう

堀口さん 今は新しい組織づくりに使っています。全員に受検してもらったので、配置やチーム組成をいろいろと検証できます。今の配置は適正か、それぞれがもっと活躍できる環境はないかという観点で、実際に配置転換やチーム組成を進めています。

―チャレンジングな任用もされているようですが

堀口さん 次世代層の育成を兼ねた任用も進めています。今後の展開に向けて、新たなミッションの業務がいくつも出てきています。これを次世代に任せ始めました。ポイントは、個性を生かせる登用・配置であること。実は個々人のミッション達成に向けて、relate社に関わってもらっています。個性を生かした活躍ができるように伴走してもらうことで、育成と各ミッション達成が同時に進むと期待しています。

―人の成長・活躍に対する思いをお聞かせください

堀口さん 学習塾の講師というのは、ともすると同じようなことの繰り返しになりがちです。何度も教えているうちに自分なりの得意な方法が確立してきます。でも本当はもっと可能性があり、違う力も持っているはずです。FFS理論を使ってチームビルディングをした時に、私が思っていたイメージとは大きく変わった人がいました。それこそ、新たな可能性が広がったということですね。やはり会社の思惑ではなく、当人の個性を軸に考えるべきだと感じます。

【活用の効果】FFS理論を通じて、人の可能性が広がった

―変化が起きた例を教えてください

堀口さん たとえばある人をミドルマネジメントポジションから事業戦略を企画するポジションにしたら、より活躍するようになりました。自分の考えが強い人だからこそ、以前のチームだと動きづらいこともあったのでしょう。ただ、そこに課題があるとはもともと思っていませんでした。それがFFS理論によって、より可能性がある選択肢が見えたのです。

―組織編成の幅が広がりますね

堀口さん このポジション変更によって、当人の業務幅は大きく広がりました。限定的な業務をアサインしがちでしたが、「この個性なら裁量幅があるミッションを与えた方が良い」と広げられたわけですね。個性を見るとこういう判断ができるのだと納得しましたし、可能性に合わせた広げ方ができていなかったという認識にも至りました。

―今は組織変革を進めているさなかでしょうか

堀口さん そうですね。変革に対する不安はまるでなくて、今後どう変わっていけるだろうかという期待しかありません。よく「会社は社長の器以上に大きくならない」と言われますが、「社員の器」が大きくなれば、それだけ会社が大きくなれると今は思っています。むしろ当然のことで、会社がやりたいことに社員が従う時代ではなくなっています。今後は、成長できるという実感がある会社に人は集まるし、それがスタンダードになると思っています。

―どういう組織を目指していますか

堀口さん 必ずしも全員がリーダーでなくてもよくて、フォロワーとして力を発揮する人もいます。野球の打順のようなものですよね。4番バッターだけを並べても強くならない。打順を入れ替えると輝く人もいる。そういう発想で考えると、面白いですよ。relate社との議論では、いつもそうした可能性の話をしています。「この個性同士を組み合わせると、双方が活きる」という示唆をもらって、今まで想定もしなかったような組織編成に着手できています。

【今後の展望】チャレンジしている過程にわくわくする

――今後はどういう方向性で進むのでしょうか

堀口さん 塾事業だけではなく、人間力を高められる場やサーキュラーエコノミーを学べるような場など、新しいサービスをつくっていこうとしているところです。会社としては事業構造の転換であり、経験のないことに飛び込んでいくわけです。新たなポジションで活躍できる人を発掘しないといけません。

―そこにFFS理論が活用できるわけですね

堀口さん 「こういうミッションで活躍できる可能性がある」ことがわかると、優先的に配置できます。しかも理論に基づいているので、本人にも説明しやすい。実際に新たなポジションで活躍して、生き生きと力を発揮している人が出てきています。普段は教科を教えている講師が、農業体験のような現場で全然違う輝きを見せてくれるのも、目の当たりにしています。

―人を生かす理論として、実践的に活用されていることが伝わってきます

堀口さん これは人を幸せにする理論だと思いますね。1人ひとりの可能性を広げられる理論。当社は、その方向に全面的に舵を切って進めていきます。自分がやりたいこと、自分に合っていることをできることが幸せだし、それが働くベースになるべきだと強く思います。

―我々もそこに参画させてもらい、大いに刺激をもらっています

堀口さん 人の配置に関わる話は、通常密室で行われがちです。でも、今relate社の皆さんと議論している内容は、社員にも聞いてもらいたいほど。「どう配置すると、どう個性が発揮されるか」という話ばかりなので、議論は楽しいです。チーム編成の新たな視点を出してもらうたびに、「自分の視点が偏っていたな」「そんな視点で見たことがなかったな」と気づかされます。外部とはいえ当事者意識で考えてくれるのも、信頼している理由ですね。社長という立場からすると、悩みや問題を壁打ちできる相手ができたという感覚です。

―今後の展望をお聞かせください

堀口さん 一回の組織づくりですべてが解決するとは思っていません。成果を期待するというより、チャレンジしている過程にわくわくしています。このチャレンジをし続け、次々と手ごたえが生まれ、つながっていくことこそ大事だと思っています。

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